2024年はZ世代の年

Maketeer. 2025.1.2

2025年への移行に伴い、消費者の動向やマーケティングの方向性に影響を与える大きな変化の一つが、世代交代である。各世代を年齢または生まれた年ごとに分類すると、以下のようになる。
• 「ベビーブーマー世代（Gen Boomer）」：59〜77歳（1946〜1964年生まれ）
• 「ジェネレーションX（Gen X）」：43〜58歳（1965〜1979年生まれ）
• 「ジェネレーションY（Gen Y）」または「ミレニアル世代（Millennials）」：27〜42歳（1980〜1997年生まれ）
• 「ジェネレーションZ（Gen Z）」：11〜26歳（1998〜2009年生まれ）
• 「アルファ世代（Gen Alpha）」：0〜14歳（2010〜2024年生まれ）
• 「ベータ世代（Gen Beta）」：1歳未満（2025〜2039年生まれ）

ベータ世代（Gen Beta）は、ポストコロナ時代に生まれた最初の世代の一つであり、先進的な　テクノロジー、平等を目指した利便性、そして出自、性的指向、ライフスタイルの違いを問わない価値観の中で育つことになる。また、環境の持続可能性に対する意識も高まると考えられる。しかし、ベータ世代が新たな変革をもたらし、ブランド認知やマーケティングの在り方に影響を与える未来が予測される一方で、現時点および近い将来においては、Z世代（Gen Z）が依然として主要な消費推進力となり、ブランドの成長を牽引する中心的な世代と位置付けられている。

「NIQ and World Data Lab」によると、タイにおけるZ世代（Gen Z）は、国全体の人口の約20%を占めており、他の世代に劣らない購買力を持つ世代である。そして今後もその影響力は増し続けると予測されている。

Z世代は「コト消費」に高い関心を持っている

Z世代の主な特徴としては、小規模な家族を選び、ライフスタイルを重視する傾向がある。また、拡大する中間層の中心的な存在であり、家庭内での購買決定権を持ち、友人への商品推薦も積極的に行う世代である。さらに、オンラインショッピングの利用率が最も高く、約53%がSNSを通じて商品を購入している。ただし、全体的な購買行動の割合はオンライン50%、オフライン50%とバランスが取れている。

そのため、2024年を通じて、そして2025年にかけて、ブランドやマーケターは既存の顧客層を維持するだけでなく、Z世代（Gen Z）をターゲットにしたブランド認知度の向上に注力している。これは、Z世代が今後、ブランドの長期的な購買力を支える重要な層になると考えられているためである。

2024年はZ世代の年

2024年のタイの消費者トレンドに関する調査は、「Kantar」が実施し、アメリカン・エキスプレスの支援を受けて行われた。その結果、Z世代（Gen Z）は旅行への強い関心を持っており、年間平均4.1回の旅行をしていることが明らかになった。さらに、調査データによると、この世代の　　3人に1人（34%）が、2024年に少なくとも5回以上旅行する計画を立てていることが分かった。国内の人気の旅行先は、チェンマイ（56％）、プーケット（55％）で、海外旅行であれば、日本（73％）、韓国（34％）、シンガポール（33％）、香港（32％）である。

「ミンテル・タイランド（Mintel Thailand）」によると、2024年のZ世代（Gen Z）は、タイにおいて最もノンアルコール飲料を消費する世代である。しかし、一部のカテゴリーでは他の年齢層に比べて消費が少なく、例えばボトルウォーター、レディ・トゥ・ドリンク（Ready To Drink）　コーヒー、ビタミンウォーター、食事代替飲料（プロテインシェイクなど）といった分野では、依然として他の世代に後れを取っている。

この調査結果は、Z世代向け市場における未開拓のビジネスチャンスを示唆しており、ブランド各社にとって新たな可能性があることを示している。また、自己満足のための消費行動に関しては、「ノスタルジア（Nostalgia）」、つまり過去の楽しい思い出や特定の場所への懐かしさをテーマに　した消費トレンドが注目されている。2024年を通じて、このトレンドに対応する形で、コンテンツクリエーター、ブランド、企業が次々と参入し、この市場を活性化させている。主なターゲット層はZ世代（Gen Z）であるが、それに加えて子供時代や青春時代を1990年代に過ごした消費者層も含まれる。現在、この層はおよそ30歳以上となっている。この世代は、すでに一定期間働いており、安定した収入や給与を持つ購買力の高い層として、重要な市場を形成している。

「2024 Instagram Trend Talk」が「Worth Global Style Network (WGSN)」と共同で実施した調査によると、Z世代（Gen Z）のライフスタイルには以下のような特徴がある。

彼らは自分自身のために働くことを目標とし、健康を維持しながら、より多く旅行することを重視している。また、ソーシャルメディアを通じて自己表現をすることを新たな手段とし、世界平和のためのキャンペーンを支援し、ソーシャルメディアを活用して自らの影響力を発揮する傾向がある。

 

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