バンコク都はゴミ収集料金を3倍に引き上げ

ゴミの分別に協力する家庭は月額20バーツに減額

Bangkok Metropolitan Administration.2025.04.11

2025年3月31日、官報ウェブサイトにおいて、「公衆衛生法に基づく汚物または廃棄物の処理サービスに関するバンコク都条例（2025年）」が公布された。この条例は、公衆衛生法に基づくバンコク都の汚物または廃棄物の処理サービス料金に関する旧条例を改正するものであり、住民が廃棄物を発生源で真剣に削減・分別するよう動機付けることを目的としている。あわせて、現在のゴミ処理に関わる状況や費用負担に即した、適切な手数料体系の見直しを行うことを目的としている。

この条例は、官報での公布日から180日後に発効される。条例の内容では、汚物または廃棄物の発生源となる建物や場所の所有者または占有者に対し、定められた手数料の支払いが義務付けられている。

①汚物の収集・運搬および処理料金（トイレ汲み取りおよびグリーストラップの清掃）は、1立方メートルあたり600バーツ／回（収集・運搬費：300バーツ、処理費：300バーツ）と定められている。

②一般廃棄物の収集・運搬および処理料金は、定期（月額）および臨時利用に分かれている。

定期（月額）利用の場合：
・1日に発生するゴミの量が20リットル以下の場合：月額60バーツ（収集・運搬費：30　バーツ、処理費：30バーツ）

ただし、バンコク都が定める基準に従いゴミの分別を実施し、登録を完了した家庭については、従来通り月額20バーツ（収集・運搬費：10バーツ、処理費：10バーツ）

・1日に20リットルを超え、1立方メートル以下の場合：20リットルごとに120バーツ

・1日に1立方メートルを超える場合：1立方メートルあたり8,000バーツ（収集・運搬費：3,250バーツ、処理費：4,750バーツ）

臨時収集利用の場合：

・ ゴミの量が500リットル以下の場合：1回あたり255バーツ（収集・運搬費：125バーツ、処理費：130バーツ）

・500リットルを超え、1立方メートル以下の場合：1回あたり370バーツ（収集・運搬費：180バーツ、処理費：190バーツ）

・1立方メートルを超える場合：1単位（1立方メートル）あたり495バーツ（収集・運搬費：245バーツ、処理費：250バーツ）

③感染性廃棄物の収集・運搬および処理料金は、「月額制」と「臨時利用」に分かれている。

月額制の場合：
・1日に発生する廃棄物の量が13リットル以下または2キログラム以下の場合：

　月額780バーツ（収集・運搬費：300バーツ、処理費：480バーツ）

・1日に13リットルを超える、または2キログラムを超える場合：

　1単位あたり480バーツ（収集・運搬費：300バーツ、処理費：180バーツ）

臨時利用の場合：

・サービス料（基本料金）：1回あたり3,000バーツ
ただし、距離が10キロメートルを超える場合は、1キロメートルごとに15バーツを加算。
総額は5,000バーツを超えないものとする。

・収集・運搬費：
廃棄物の量が100リットル以下または15キログラム以下の場合：1回あたり75バーツ
100リットル超または15キログラム超の場合：100リットルまたは15キログラムごとに1単位75バーツ

・処理費：廃棄物の量が6.5リットル以下または1キログラム以下の場合：1単位あたり8バーツ

ゴミ箱の色と対応するゴミの種類

バンコク都では、公共の場やコンドミニアムなどで設置されているゴミ箱が色分けされており、それぞれの色に応じてゴミの種類を分別する取り組みが行われている。

• 緑　生ごみ（野菜や果物のくずなど）
• 黄　リサイクル可能な乾いたゴミ（紙類、ペットボトル、缶、瓶など）
• 青　分解しにくいゴミ（発泡スチロール容器、プラスチック袋など）
• 赤　危険ゴミ（化学薬品、殺虫剤のスプレー缶、乾電池、マスクなど）

 

バンコク都は市民が廃棄物を発生源で削減・分別することを促進するため、このプロジェクトを実施している。このプロジェクトは、市民が廃棄物の削減・分別および再利用を通じて環境保全に参加し、バンコク都が処理すべきごみの量を減らすことを目的としている。これにより、廃棄物処理手数料の負担も軽減される。

Photo by Bangkok Metropolitan Administration