「甘さ控えめは安くなる」― 砂糖税第4フェーズのレート公開

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2025年4月1日より、甘味税(砂糖税)の第4フェーズが正式に施行された。これにより、糖分含有量に応じた飲料への課税が強化され、「ロースシュガー(低糖)」や「無糖」の選択肢を選ぶ消費者は、これまでより安く購入できる可能性がある。この政策は、国民の健康を促進すると同時に、メーカー各社にも糖分を減らした製品への転換を促すことを目的としている。
糖分6グラム/リットル以上の飲料は段階的に高い税率に
新しい砂糖税の構造では、糖分がリットルあたり6グラム以上含まれる飲料に対し、糖分の多さに応じて段階的に高い税率が適用される。これにより、多くの飲料メーカーはコスト負担の増加を余儀なくされている。原材料の見直しや製造工程の調整など、対応を迫られるケースも少なくない。
初期の市場調査によれば、一部のメーカーはすでに糖分含有量の多い製品の価格を段階的に引き上げている一方、他のメーカーは価格を据え置き、糖分含有量の少ない「低糖」製品の開発・販売促進に注力して増税の影響を軽減しようとしている。
砂糖税フェーズ4:砂糖含有量に応じた課税率(2025年4月1日より適用)

■税率の引き上げで見られる傾向
- 全体として増税傾向
多くの区分で課税額が引き上げられており、特に低~中程度の糖度帯(6〜14g/1000mL)で増税が目立つ。
■課税区分の大幅拡大
- 非課税飲料が爆発的に増加
メーカーが砂糖含有量を減らし、非課税帯に入る商品を急増させていると考えられる。健康志向への対応や価格競争力確保の動き。
■中糖帯飲料の課税強化と市場変動
- 10g未満に抑えることで課税を軽減しようとするメーカーが増えている。
■高糖帯飲料市場の縮小
- 「14〜18g/1000mL」および「>18g/1000mL」の商品数が減少傾向。高糖飲料は市場からほぼ姿を消し、メーカーが製品の糖度を下げている可能性が極めて高い。
今回のフェーズ4では、砂糖税の強化が顕著であり、特に中糖帯飲料への課税強化が目立つ一方、非課税飲料が爆発的に増加している。高糖飲料は市場から姿を消しつつあり、メーカーの低糖戦略がより鮮明になっている。今後も砂糖含有量の低減競争が激化しそうである。
タイの「砂糖税」フェーズ1~3の概要
タイ財務省物品税局の情報によると、砂糖税は、飲料に含まれる糖分の量に応じて段階的に課税される制度で、国民の健康促進および糖尿病・肥満対策を目的としている。砂糖税のフェーズ1~3の概要は以下の通りである。
フェーズ1(2017年10月1日~2019年9月30日)
- 導入目的: 健康志向を促し、メーカーに糖分削減を促進
- 課税構造:初回は「周知期間」として設定され、税率は比較的低め、一部製品は免除または軽減措置あり
- 影響: 多くのメーカーが「低糖」飲料の開発を開始
フェーズ2(2019年10月1日~2021年9月30日)
- 変更点: フェーズ1よりも税率が引き上げられる
- 税率レンジ: 約0~3バーツ/リットル(糖分量により変動)
- 特徴:砂糖含有量が多い飲料は明確に「割高」となり始める。一部のメーカーは「無糖」「人工甘味料」製品へ移行
フェーズ3(2021年10月1日~2025年3月31日)
- 強化ポイント: 税率が段階的にさらに上昇
- 税率レンジ: 最高で5バーツ/リットルに近づく設計
- 糖分の段階課税制度が確立され、以下のように分類:

Thansettakij.2025.04.01
財務省物品税局