タイ自動車インサイトに注目!クルンシィ・オート、全国の新車ユーザーの行動を発表
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「クルンシィ・オート」― 三菱UFJグループ傘下のクルンシィ銀行(アユタヤ銀行)に属する包括的な自動車ローン事業のリーダーは、自動車ローン申込データをもとに、地域ごとのユーザーインサイトを発表した。
- バンコク首都圏:EV利用のトレンドをリードしており、短期返済・早期完済を重視。
- 北部:ピックアップトラックと中型セダンが人気で、コストパフォーマンスと耐久性を重視。
- 東北部(イサーン):ピックアップトラックはあらゆる世代の収入源として利用され、特に「成り上がり」を目指す若年層に支持されている。
- 東部:工業都市部では中型・大型セダンが主力。
- 南部:山岳地帯や海岸線を走破できるピックアップトラックが多く使われている。
バンコク、自動車トレンドをリード!EVと大型セダンが人気
バンコクは国内販売の中心で、EVと大型セダンの需要が拡大している。EVは BYD、AION、MG、Deepal、GWM ORA が上位を占め、1,500か所以上の充電ステーションや家庭用充電器の普及が後押ししている。大型セダンも日本・欧州ブランドを中心に「内燃機関自動車(ICE)」、「ハイブリッド自動車 (HEV)」、「プラグインハイブリッド自動車(PHEV)」と多様な選択肢が揃っている。
小型車・大型車ともに人気 中部地域では生活とビジネスを支える選択肢に
バンコク首都圏以外でも、中部地域において大型乗用車と小型乗用車の人気が高まっており、両者を合わせると地域全体の43.3%を占めている。これは、多様な利用目的に応じた車選びの傾向を反映している。
大型セダンは、都市や経済圏の拡大に伴い需要が増加しており、特に事業主層から、長距離移動やビジネス利用に適した効率的な車として支持されている。一方、小型セダンは依然として官公庁職員や国営企業従業員から根強い人気があり、コンパクトで運転しやすく、維持費が抑えられる点から日常生活に適した選択肢となっている。
実用重視の北部 ピックアップトラックと中型セダンが主力
北部は、バンコク首都圏を除くと全国で最もピックアップトラックと中型セダンの販売台数が多い地域である。これは、生活様式や地形に即した車選びの傾向を示している。
ピックアップトラックは、多用途性が評価されており、山岳地帯を越える県間移動から商業・ビジネス利用まで幅広く活躍している。観光拠点かつ経済中心地としての北部の役割にも合致している。
同時に、中型セダンも日常生活から長距離移動まで対応可能な汎用性の高さから、主要な選択肢となっている。さらに、北部はバンコクを除くと国内で最も電気自動車(特にセダンタイプ)の販売が多い地域であり、関心の高まりが顕著である。
イースタンシーボード、ライフスタイル多彩!中・大型セダンとEVが市場を拡大
東部地域は、大規模産業と観光資源を兼ね備えた重要エリアであり、特に ラヨーン県 には165以上の工場が集積している。また、EEC(東部経済回廊)の中心である チョンブリー県、チャチューンサオ県 は、観光都市としても発展しており、流入人口も多く、自家用車需要が高い地域である。
この地域では、中型・大型セダンの人気が高く、販売台数全体の 51.7% を占めている。さらに、電気自動車(EV)市場も拡大しており、特に多目的EVは前年に比べて 62% の成長を遂げている。
ピックアップトラックは必需品!イサーンのZ世代、キャリア形成に活用
タイ東北部(イサーン)は広大な地域に多くの県が含まれており、ユーザーは長距離移動に適した大型セダンと、多用途に対応できるピックアップトラックを中心に選択している。
大型セダンは快適な長距離移動の手段として人気がある一方、ピックアップトラックは日常生活や生業のための主要な選択肢となっており、販売シェアは北部に次いで高い水準である。特に Z世代(28歳以下) は職業利用のためにシングルキャブを選ぶ傾向が強く、X世代(45〜60歳)やベビーブーマー世代(61歳以上) では、家族活動や個人利用にも対応できるダブルキャブが人気である。これら2タイプのピックアップを合わせると、販売全体の 43.1% を占めている。
南部はピックアップで山岳・海岸を走破
南部は山岳と海岸線が広がる多様な地形を有するため、日常生活から地域観光まで幅広い用途に対応できる ピックアップトラックや大型SUV(PPV) が人気で、販売全体の 40.6% を占めている。耐久性と走行性能を重視した車選びの傾向が鮮明である。
さらに、南部のユーザーはデジタル利用にも積極的で、自動車ローンのオンライン申込比率は 80% に達し、バンコク(94%)に次いで国内第2位となっている。これは、オンライン利用への高い慣れと、デジタル金融サービスへの信頼を示している。
2024年にタイで最も売れる車トップ10
2024年の自動車販売総データは、タイ工業連盟(FTI)や自動車ニュースウェブサイトなど、さまざまな情報源から得たもので、2024年の総販売台数は572,675台と報告されている。そのうち上位10車種は以下のとおりであり。
1位 トヨタ・ハイラックス・レボ (77,987台)
2位 いすゞ・D-MAX (61,580台)
3位 トヨタ・ヤリス ATIV (43,912台)
4位 トヨタ・ヤリスクロス (35,500台)
5位 ホンダ・HR-V (20,053台)
6位 ホンダ・シティ・ハッチバック (17,016台)
7位 ホンダ・シティ・セダン (16,414台)
8位 トヨタ・カローラ・クロス (15,032台)
9位 BYD・ドルフィン (13,386台)
10位 トヨタ・フォーチュナー (13,014台)
出典:Krungsri Auto
Toyoya Sure.2025.3.26











