抹茶ブームに乗れ!

15年間で輸出が9倍に成長ー日本、農家支援を強化し「緑茶」生産体制を整備
Positioning Magazine. 2025.1.27
2024年末頃からタイでの「抹茶フィーバー」の流れを目にした人も多いであろう。特に、自宅で飲むために抹茶パウダーを購入するトレンドが広がり、タイ国内で抹茶が品薄になるほどの人気となった。当然ながら、本場の日本もこの需要を認識し、農家への支援を本格化させる準備を進めている。
2024年12月、タイにおける「抹茶(Matcha)」のGoogle検索数は過去20年間で最高記録を更新した。この抹茶ブームはタイだけにとどまらず、特に西洋諸国を中心に世界各国で人気が高まっている。
高品質の茶葉を細かく挽いた濃厚な抹茶パウダーにはカフェインが豊富に含まれており、コーヒーのように体を活性化させる効果があるが、健康面ではより多くのメリットがある。この人気の高まりにより、世界の抹茶市場は今後も拡大し、2028年までに約1,730億バーツ(約5,600億円)規模に成長すると予測されている。
このような状況を受け、日本政府は補助金の配分を検討しており、緑茶農家に対し、生産形態を「煎茶」(蒸して揉み、乾燥させる製法)から、「抹茶」の原料となる「碾茶」(蒸した後、揉まずに乾燥させる製法)へと転換するよう促している。これにより、2025年の緑茶の輸出拡大を後押しする狙いがある。
2009年から2023年にかけて、日本の緑茶の輸出量は約9倍に増加し、過去最高となる292億円(約65億バーツ)に達した。この成長の主な要因は、ヨーロッパやアメリカ市場における健康志向の消費者の間での人気の高まりによるものとされている。
抹茶の人気が世界的に急上昇しているにもかかわらず、同時期に日本の茶の生産量は20%以上減少した。これは、高齢化が進む茶農家の現状や、緑茶栽培にかかる年間平均支出が1世帯あたり約40%減少していることを反映している。
Photo by Matcha & CO on Unsplash