タイのPromptPay、2026年1月の取引件数が23億件に、デジタル決済の定着と観光回復で成長継続
Image “PromptPay logo” from Wikimedia Commons, used under CC BY-SA 4.0.
ナショナルITMX株式会社(NITMX)は、国家レベルの決済インフラサービス提供企業として、2026年1月の「PromptPay(プロンプトペイ)」の利用状況を公表した。それによると、年末にかけて経済活動、観光、国民の消費が活発化する中、利用は引き続き堅調に拡大していることが確認された。これらの数値は、PromptPayがタイのデジタル金融システムにおける中核的インフラとして、多数の取引を安定的に処理していることを示している。
PromptPayとは
PromptPay(プロンプトペイ)は、タイのNational e-Paymentプロジェクトのもとで開発された、銀行間で即時に送金・決済が可能なリアルタイム電子決済サービスである。国民ID番号や携帯電話番号を銀行口座に紐付けて利用できる仕組みとなっている。なお、安全性の高い中核インフラの開発および運営は、ナショナルITMX株式会社(NITMX)が担っている。同サービスは2016年に導入され、2017年以降に一般向けに本格的な利用が拡大した。
取引件数は引き続き増加している
2026年1月、PromptPay(プロンプトペイ)の取引総数は23億3000万件に達し、前年同期の20億4000万件から14%増加した。取引総額は4兆6300億バーツに達し、前年の4兆3800億バーツから6%増加した。これらの数字は、ユーザーが個人間送金(P2P)、商品やサービスのオンライン決済、小規模事業者の取引、そして年末年始の経済活動の継続に伴う年初の送金にPromptPay(プロンプトペイ)を引き続き利用していることを示している。
登録件数は8,233万件に到達
2026年1月末時点におけるPromptPayの登録件数は合計8,233万件に達した。内訳は以下の通りである。
- 個人:8,194万件
- 法人:39万件
登録件数は引き続き着実に増加しており、利便性・安全性・低コストを兼ね備えたリアルタイム送受金システムに対する、個人および企業の信頼の高さを反映している。特に、オンライン店舗、小規模事業者、フリーランス層において利用が広がっている。
クロスボーダーQR決済が顕著に成長、観光需要が追い風に
タイにおけるクロスボーダーQR決済(Cross-Border QR Payment)とは、QRコードを利用して国境を越えて支払いができる仕組みである。タイの決済システムと他国のシステムを連携させることで、外国人旅行者などがタイ国内で自国のアプリを使って簡単に支払いできる。
仕組み:
- タイの店舗がQRコードを提示
- 外国人が自国のアプリでスキャン
- 金額と為替レートが表示される
- 支払いを確定
- 店舗はタイバーツで受け取る
2026年1月、タイへのQRコード決済の総額は9億3,124万バーツに達し、前年同期の3億299万バーツから207%増加した。この高い成長率は、特に観光シーズンのピークである年初に タイを訪れる外国人観光客の間で、国境を越えた決済の利用が拡大していることを反映している。観光客が自国の決済アプリを使ってQRコードをスキャンし、タイで直接商品やサービスの支払いができるため、両替の制約が軽減され、支出の利便性が向上する。
2026年1月におけるインバウンド決済が最も多い上位3カ国
第1位 中国 – 5億4138万バーツ
第2位 マレーシア – 1億7504万バーツ
第3位 ラオス – 7089万バーツ
中国がインバウンド決済で首位となっていることは、国際的な決済システム連携の潜在力の高さを示しており、観光および国際貿易の支援において重要な役割を果たしている。クロスボーダー決済連携の拡大により、中国の利用者は自国の決済アプリを用いてQRコードをスキャンすることで、タイ国内の商品やサービスの支払いを便利かつ迅速、安全に行うことが可能となっている。これにより観光客の消費における障壁が軽減され、年末のタイ観光産業の活性化に具体的に寄与している。
NITMXは、国内およびクロスボーダー双方の取引拡大に対応できるよう、決済インフラの高度化・安全性の向上に引き続き注力している。これにより、タイのデジタル経済および観光産業の持続的な成長を支えていく方針である。
今後のビジネス機会
タイではPromptPayをはじめとするデジタル決済インフラが急速に普及し、個人・企業双方でキャッシュレス化が進展している。特に、QRコード決済やクロスボーダー決済の拡大は、観光・小売・サービス分野において新たなビジネス機会を創出している。 日本企業にとっては、こうした決済環境への対応が現地市場での競争力強化につながるとともに、訪日客・訪タイ客双方の取り込みにおいても重要な要素となる。今後は、現地の決済インフラやパートナー企業との連携を視野に入れ、デジタル化・キャッシュレス化への対応を一層進めていくことが求められるだろう。
出典: Marketeer(2026年2月)
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