SALZ、チャトラムーとコラボで「タイティーソルト配合歯磨き粉」を発売
Photo by Nattaporn Shiratori, AI enhanced with Gemini.
今の時代は差別化が鍵!ライオン(タイランド)のオーラルケアブランド「SALZ」は、タイの老舗ティーブランド「チャトラムー(ChaTraMue)」と提携し、タイティーの風味を取り入れた「サルツ ソルト・タイティー歯磨き粉」を発売した。塩系歯磨き粉の新たな価値提案を通じ、若年層の取り込みを図る。
タイの歯磨き粉市場は約150億バーツ規模とされ、成長率は一桁台ながら安定した拡大を続けている。競争が激化する中、従来の品質重視に加え、「体験」や「ライフスタイル」といった要素が消費者の購買を左右する重要な要因となっている。
こうした環境下で「SALZ」は、ソルト系歯磨き粉カテゴリーにおいてトップ2の地位を維持する主要ブランドの一つ。しかし、顧客の約90%がタイ人で、かつ40歳以上が中心という構造から、若年層の取り込みが課題となっていた。同社は若年層の顧客比率を現在の30%から40%へ引き上げることを目標に掲げている。
同社オーラルケア部門のプロダクトマネージャー、アロンコン・ジャルジャリート氏は、ソルト系歯磨き粉に対する「塩味の壁」を打破する必要性を指摘。新たなフレーバーの導入によりブランドの親しみやすさを高め、将来的な商品展開にもつなげたい考えを示した。
今回発売された製品は、タイティーの甘く香ばしい風味と塩の特性を組み合わせた点が特徴。食品・飲料ブランドとのコラボレーションは「SALZ」として初の試みで、長期間にわたる共同開発を経て商品化された。両ブランドの個性を反映しつつ、消費者ニーズにも対応した仕上がりとなっている。
販売は2月下旬にハイパーマーケットで開始され、発売直後から大きな反響を呼んだ。最初の7日間で多くの店舗で売り切れが続出し、日本人や中国人観光客によるまとめ買いも目立ったという。中には棚ごと購入されるケースも見られ、話題性の高さがうかがえる。
同商品は現在、「タイ旅行で買うべき土産」の一つとしても注目されている。販売期間は当面1年間を予定している。
また、チャトラムーは自社の店舗網でも本商品の販売を開始。国内外240以上の店舗に加え、米国など海外拠点でも展開することで、新たな販売チャネルの開拓とインバウンド・海外需要の取り込みを進める方針だ。
タイにおける歯磨き粉市場の成長について
2024年から2025年にかけて、歯磨き粉市場の総額は93億5,700万バーツを超え、今後も年間8.3%の成長率で拡大していくと予測されている。この成長を支える要因としては、タイ国民の口腔衛生への意識の高まりや、個々のニーズに合ったオーラルケア製品を選ぶ傾向などが挙げられる。
さらに、消費者は歯磨き粉を日々の美容習慣に欠かせないものと捉えている。こうした背景から、ニッチ市場が発展し、多様な消費者のニーズに特化した製品が開発され、選択肢が拡大している。
現地融合が生む差別化戦略のヒント
今回の事例は、成熟市場においても「機能」だけでなく「体験価値」や「話題性」を掛け合わせることで、新たな需要を創出できることを示している。特にタイ市場では、SNS映えや共感性、ローカル文化との融合が若年層攻略の鍵となっている。既存ブランドであっても、異業種コラボやフレーバー・デザインの刷新により、ブランドの再活性化が可能である。
日本企業にとっては、品質の高さという強みに加え、「現地の人気ブランドや文化との掛け合わせ」を積極的に取り入れることが一つの有効な選択肢ではないかと思われる。単なる輸出ではなく、現地のライフスタイルに寄り添った商品開発やマーケティングを行うことで、差別化と市場浸透のスピードを高めることができるだろう。
出典: Forbes Thailand(2026年3月)
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